音楽って何だろう その5 音楽で感動する
 その4から始まったお話なんですが、もう一度おさらいしますと、人間が音楽を聴いて涙が出る程感動する事について、考察しようと言うことなんです。一応音楽を職業にしている人を分析する事で、何か反面教師的に答えらしき物が見えそうなのですが、、、、道は遠いぞ。でも、途中の景色を楽しみながらの、旅も乙な物でげすよ。それに何だか覗き見趣味的に面白かったでしょう。
 さて、その4でお話したことを、まとめてみますと、
 1、表現する方と聴く方の何かの波動が一致したとき、感動が生まれるとするならば、大きく四種類に分けた音楽を職業にしている人達が、意識的にそれを作り出せそうも無い、と言うことが解ったと思います。残念ながら。それが出来るかもしれない、という考えは、音楽を職業にしている人にとっても、そうじゃない人にとっても、幻想です。(妄想かな)
 2、小さいときから技術と知識ばかり詰め込むと、自分が感動出来なくなり、かといって、自分が聴き手として感動したものを、今度は表現する側に回って、同じようにしようとしても、感動の追体験は滅多に出来ない。
 3、ある種の麻薬的大衆操作で疑似的な感動を演出しても、それは普遍性をもてない。ヤクザな連中を肥えさせるだけである。使い捨てカイロの悲哀。(昔は、川原乞食と言われていたものに、血眼になって子供をしようとするお母さんがいるそうです。今も昔も「芸能界」なんてものは、ならず者が仕切っているんですよ。連中は上がりをかすめ取る事しか考えない品性下劣な奴なんです。そんな所に、どうして愛する我が子を入れたいのでしょうね。)麻薬はご存じの通り気持ち良いけど、廃人になります。疑似精神分裂状態を作ります。その状態での感動?に普遍性を持たせるならば、人間は、ついに自滅の道を選び始めたと言うことです。この事は、音楽を聴いて感動する事とは、本質的には違う話なのですが、現象として音楽も関わっているので、あえて取り上げました。
 と、言うことになると、音楽を職業にしている人にとって、音楽の一番大事で、良いところが、実は、自分たちだけでは、どうしようも無いという結論になってしまいます。でも、これは事実なんでしょう。逆に言うと、音楽を職業にしたために、音楽の感動からスポイルされる羽目に陥ってしまった、というジレンマとパラドックスがあります。
 そうは言っても、作曲したものや、演奏したことで、聴く人がものすごく感動してくれる事も、あるわけで、それが、たまたま表現する方と聴く方の何かの波動が一致する条件が整っていただけなのに、こういう事がこれからも無条件に続いて行くかのような錯覚を持ってしまうことが、音楽を職業にしている人の悲劇です。その夢から醒められない人は、ドン・キホーテになってしまいます。そう言う生き様の方が感動を呼んだりしてね。  
 さて、もう一つのタイプとして、音楽を学究として考えている人がいますが、こういう「学者」は人が感動しようが、しまいが、関係ないモンね!という人です。「現代音楽」と呼ばれているものや、ある種のジャズに関わっている人にこの手が多いです。勿論、一般社会では、啓蒙的な所以外で需要があるはずも無いので、必然的に大学などで教えながら「研究」する事になるのですが、この職にもあぶれてしまうと経済的に大変な事になります。まあ、そんな事はどうでも良いのですが、音楽大学に行くと、こういう先生が待ちかまえているのですから、無垢な学生(そんな奴はいないか)は結構大変な目に合います。音楽を表現することの精神性、感性なんてどうでもよく、アクロバッチックでトリッキーな音楽に意味があるかのような価値感を植え付けられ、そう言う曲を上手に作ったり、演奏出来たりすると、良い点がもらえます。要するに、社会とかけ離れた訓練をさせられる羽目になるわけです。まだ自然科学系の方が社会との繋がりはありますね。(でも、テクノロジーは大量殺戮兵器開発のためや、自然破壊の原因になっていることも確かですから、一慨に社会と良い関係にあるとは言えないのですが)
 こんな捻れた世の中を、一体誰が作ったんでしょうね。民主主義だから、皆が良くなれば、社会も良くなる、と言うのは「幻想」だというのは、皆さんも薄々気が付いているでしょう。(この論理の究極は、皆が良くなる―何に対してよくなるのか―ある特定の考え方にとって良い=そうじゃ無い奴がいなくなれば良い―どうやってそうじゃない奴を無くする=殺す、説得する、啓蒙する、騙す、脅す、洗脳する、、、、、、、どれをとっても個人の尊厳と相容れないでしょう。それを、ごまかす為に麻薬的大衆操作の一種の、イメージ戦略と言うのがあるのですから。この手を使う奴が実は一番悪い奴だと思います)
 こと音楽に限っても、音楽大学なのだから、音楽の素晴らしさを極める所だと、常識的には思いますが、実体は、この体たらくなんですよ。音楽みたいな人畜無害なものでこうなのですから、音楽以外ではもっと魑魅魍魎、阿鼻叫喚、呉越同舟、策略横行、、、、、、、がバッコバッコ。
 だからこそ、個人のレベルで人間の大切なものは、守り育てなくてはなりません。権威とか権力とか名声に、惑わされたり、身を任せてはいけません。ヨーーーク考えれば解るでしょう。権威とか権力とか名声を手に入れるため、どんな事をしているか。自然にそう言う物が手に入るなんて事は、万に一つもないのですよ。そう言う物だけを欲しがる、逆転野郎は、正真正銘、赤丸付きの、「ならず者」「悪の権化」です。本当に気を付けましょう。
 何回も言っていますが、愛する子供を「ならず者」や「悪の権化」から守るのが親の努めなのに、自ら差し出す様な馬鹿な真似は止めて下さい。

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