音楽って何だろう その3 リズム
 音の長さについての話です。ある音をこのくらいの時間の間延ばしなさい、という指示は、簡単に考えれば私たちが生活で使っている時、分、秒の単位で表わせば良さそうですが、音楽の中では現代音楽と呼ばれる譜面に、たまに出てくるだけで、この時間の単位はほとんど使われていません。
 生活で使う時間の単位は、おおよそ地球が1回転するのを24等分した、時
それを60等分した、分、それをまた60等分した、秒、で表しますが、音楽では、ある曲の速度(Tempo テンポ)を表す時にだけこの単位を利用しています。♪=120なんて表示を曲の最初で見かけますね。これは、1分間に8分音符を120回均等にはめ込む速度で演奏してね、というお願いなのです。もう少し砕いて言いますと、1分間に120回ということは、60秒割る120ですから、8分音符の長さは0.5秒だよ、ということを表しています。さらに
2  3  4  6  8  9  2  3  4  5  6  9  12 etc.
4  4  4  4  4  4  4  8  8  8  8  8  8 
なんて物にも出くわしますが、これは拍子記号といいまして、分母が音符の種類で、分子が拍数です。ほとんどの音楽では、繰り返す拍数というものを決めていることが多いです。これはもともと人間が2本足で歩くことから来ているという人もいますが、要するに、人間は右 左 右 左という風に歩いていますが、これは2つのサイクル、すなわち2拍子と言うわけです。踊りの曲は3拍子が多いですよね。(今はディスコとかラテンで踊るので4拍子なのかな)そうなると人間が5本足を持っていたら案外5拍子の曲が多かったりして、
それはともかくとして、分母で決められた音符が分子の数だけ出てくると小節というもので区切る約束になっています。例えば、4分の4拍子ならば4分音符四つで次の小節、8分音符なら八つ、16分音符なら16個、そしてそれらが色々組み合わさるのです。音符の種類は、よく使われるものに、全音符(棒のない白丸)2分音符(棒のついた白丸)4分音符(棒のついた黒丸)8分音符(棒に旗が1つついた黒丸)16分音符(棒に旗が2つついた黒丸)32分音符、64分音符、128分音符、、、は旗が増えて行くだけです。(これも「楽典」というどんな本でも良いから見れば出ています。)そうして、それらが3つ集まると丸の右上に点を付ける約束になっています。これを付点音符とよんでいます。こういう風に見てみると、全音符を半分、半分、半分、、、という風にして音符の種類を決めたみたいですね。欧米で発達したコンピュータは2進法で出来ている、という話を聞いたことがあると思いますが、西洋音楽も2進法的な考え方をしているのですね。
 ある音符を2の倍数以外で割る時は、連符という書き方をします。例えば4分音符を3等分する音符は8分音符3つの固まりの上に3を書いておきます。
 分子に来る数は拍子と言うことでしたが、理論的にはどんな数字でも良いのです。ただ、小節を区切るとき、あまり数が多いと数えるのが大変ですから、自ずと使う数は限られます。特殊なものに、6/8 9/8 12/8 と分子が3の倍数になっているものがありますが、これは、3つの音符の固まりを、1拍と感じながら演奏するときに使います。考え方としては、例えば4/4拍子の4分音符分の1拍を8分音符の3連符で表すのと、12/8拍子の8分音符3つの固まりは同じ事なのです。分からない人は分からないままで良いと思います。
 これで拍子のことは理解できたと?思いますが、ここで大切なのは、1拍というのは、分母で決められた音符を基準にして考えるということです。音符というのは、あくまでも相対的な物ですので、分母で決めた1拍に相当する音符をどの時間の幅にするかでその曲のテンポ(速度)が決まるのです。
 ♪=120なんていう表示は、8分音符を基準になる1拍として感じながら、それの時間の幅を0.5秒取りなさいね、という意味なんです。16分音符とか32分音符に恐怖抱く人がいますが、あくまでも相対的なものですから、あまり嫌わないで下さい。4、13、なんて数字も嫌われ者ですが、数字にしてみれば迷惑な話だと思いませんか。彼らは実に色々な所で黙々と働き人間の役に立っているのですからね。これは、昔から沢山の人が言って来ていますが、謂れのない、偏見、思いこみ、差別、ほど愚かしいことは有りません。皆さんもう一度胸に手を当てて反省しましょう。
 さて、リズムという言葉が有りますが、これは、先ほど出てきた基準となる
1拍を、掛け算したり割り算する事なのです。1拍の時間の幅さえ解っていれば、リズムを読みとるのはそんなに難しいことではありません。むしろ決められた時間の幅を正確に感じていることの方が、難しいかもしれません。よくリズム音痴なんて言いますが、私が今までいろんな人を見てきたなかでは、決められた時間の幅を正確に感じられない、テンポ音痴という方が多いです。これは、ちゃんと歩けない、歩かない事に起因しているかもしれません。勿論足が不自由な音学家ですばらしいテンポ感をもっている人もいますので、一概には言えませんが、少なくとも何時もだらだら歩いたり、ちゃんと足を上げて規則正しく歩かない人は、テンポの感じ方が下手だ、という傾向はあります。軍隊のように、特にナチスドイツや、大日本帝国陸軍などの行進はゾッとしませんが、外国で日本人が歩いているのを見ると何時も思うのですが、回りのその国の人達(これは別に欧米に限りませんが)と比べて、だらだらした規則性の無い、醜い歩きかたをしています。アジア人の中でもあまりにひどいので、すぐ日本人と解ります。これは、ちょっと、真剣に考えた方が良いと思います。そんな親の歩き方は、子供にうつりますよ。(もっと意地悪く言うとイエローモンキーと言われたことがありますが、猿に近い歩き方です)

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