アメリカツアー面白話 18
Aratani Japan America Theatre (日米劇場)でのコンサートではジャズヒュージョンバンド「HIROSHIMA」で和太鼓とパーカッションを担当していたJohnny Mori(ジョニー森)さんもゲストで出演して、大盛況のうちに終わりました。これをもってケニー遠藤さんの音楽生活30周年全米ツアーも無事終了です。「Congratulation!」長い長いと思っていましたが、なんだか終わってしまうと「もっともっと続けたい」と思い始めています。ケニーさんの人柄と実力のおかげで何処の会場も盛り上がって、ツアーならではのいろんな楽しい「事件」があって、明日は東京に帰るのかと思うと気持ちがシュンとなりそうです。10月15日に日本を発って11月21日の昼の飛行機で帰国です。本当に長いツアーでしたが演奏上でも色々気を遣ってくださって、想像していた以上にギャラも頂いて、ケニーさんには感謝感謝です。飛行場でチェックインするときの楽器のオーバーウェイト代もそれほどでなく、いよいよアメリカ在住組とのお別れです。みんなとハグして「今度は日本でツアーしましょう!」と言い交わしました。
さて、最後のトラブルです。エコノミーの座席は(ユナイテッド)身動きが厳しいほど狭いのです。しかも運が悪いことに4人掛けの真ん中の座席です。行きは幸運にも座席に余裕が有ったので気にならなかったのですが「こんなに狭かったかな???」と疑問を持って良く考えてみると、そうです!私が太っていたのです。前回乗った国際線は2年前でしたが、この2年間で体全体を満遍なく脂肪が覆ってしまったようです。それからというもの地獄のような狭さに耐えながらじっと我慢で兎に角何も無いときは寝ています。でもうるさいように食事やらおやつやらの時間になって、いろんなものを運んできます。ついに私は狭さ故の失敗をしました。食事の時にもらった熱いお茶を隣の女性(白人なのに日本語がぺらぺらでした)のジーンズの腿のあたりにかけてしまったのです。ナイフを取ろうとして肘が当たったようです。とっさに「ああやけどしたらどうしよう」と思いましたが、もう時間は戻りません。幸い大事に至らなかったのですが、不幸中の幸いでその女性が我慢してくださった事も幸いでした。違う対応なら私はどうなっていた事やら、、、着陸したときに丁寧にお詫びをしましたが、それに対する対応は実に古き良き日本の女性の様な白人の方でした。もしかしたら、日本人の方と結婚しているのかなと言う感じでした。
さて、沢山のスーツケースを一人で運んで安い駐車場に預けてあった車に積んでへとへとになって帰宅しました。40日も会っていなかった我が子は嬉しそうに出迎えてくれましたが、お土産に喜んだのか?父の帰宅を喜んだのか?しかも後日次男(当時小学2年生)の2学期最後の個人面談で担任から「今までの晃くんとは別人の様に忘れ物はするし、授業中は落ち着きがないし、宿題も良く忘れるし、私以外の先生達も心配しています。家庭で何か思い当たることは有りますか?」とのこと。もちろん大いに思い当たることが有るわけで「ああ、それは私が40日間家にいなかった所為です。」先生はそんなことで、という風に怪訝な顔をしていますが、我が家は子どもの面倒は私の役割でしたのでやはりお婆ちゃんには代役が務まらなかったようです。それからと言うものは元に戻るように次男と格闘したのは言うまでもありません。これでお仕舞い。