アメリカツアー面白話 16

 さてさて日系アメリカ人やアメリカ移民の話に沢山時間を割いてしまいましたが、ちょっとLos Angelsのエピソードにしましょう。
 私は1981年LAに演奏旅行に行っています。そのときから25年経っているわけですが、最大の変化はなんと言ってもディズニーコンサートホールの出現でしょう。Little Tokyoからまっすぐ市役所方面に歩いていって坂を登り切ったところにメタルで覆われた(本当に全体がステンレスで覆われているのだと思います)巨大な建物がLAの太陽をあらゆる方角へ反射して異様な光景でそびえ建っています。デザインも奇抜でSF映画に出てきそうな建物です。それがディズニーコンサートホールです。そぞろ歩きならLittle Tokyoのホテルから30分くらい歩くのでしょうか。兎に角砂漠の気候なので11月なのに紫外線は刺すように痛いのです。そのかわり日陰に入るとものすごく涼しくて、地元の人たちは日陰の歩道を選んで歩いています。大気中に湿気が無いというのは思っている以上に過酷なことなのです。湿気のおかげで紫外線の「毒気」が軽減されているのだろうし、日向と日陰の温度差を無くしているのだろうし。そしてハタと気がついたのですが、西部劇でよくツバがとんでもなく大きな帽子をかぶったメキシコ人が出てきます。あれはファッションでも何でもなくて、大きなツバは日陰を作っていたのです。日陰に入りさえすればどれだけ涼しいかその現場に行ってみないと分かりませんので、あの奇妙な帽子の意味も直ぐ判明しました。やっぱり「行ってみて初めて分かる」事が旅行の楽しさの一つなのですね。ハワイで買った麦わら帽子を第28話でのどたばたに紛れて楽器のトラックに入れたまま忘れていたので失敗でした。兎に角帽子の無いまま歩くのは危険です。
 ディズニーコンサートホールの中も色々な施設があって、常に子ども達のための催し物が開かれていて(平日でも学校が協力しているのでしょうし、学校が何でも出しゃばってやらないで、子どもは地域社会のものだ、という思想が貫徹しているため学校に居る時間も短いのです。)地域社会と溶け込むための努力をしています。こういうところがアメリカの良いところなのですよ。もちろん一番の目的は有名な交響楽団であるロスアンジェルス交響楽団の(Los Angeles Philharmonic)ホームベースということで、最優先にこの交響楽団のためのコンサートを組み込んでいきそれ以外の空いているところにおもしろいプログラムを仕込んでいるようです。11月の予定で私がこれは是非行ってみたいなと思ったプログラムは結構沢山ありました。ジャズ系でもウエイン・ショーターというサックス奏者やパット・メセニーと言うギタリストがロスアンジェルス交響楽団と共演すると言うプログラムがありこれは何処でも聞けるものではないので、流石!(サスガ!)という感じでした。ファンにとっては垂涎ものです。(よだれが出るほど楽しみだ!)兎に角建物の姿はいくら私が言葉で説明しても伝わらないでしょうから是非実物を見て欲しいです。(http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/westcoast/18/index.htmlちょっと長いですがここのサイトに行くと写真が沢山見られます。)
 建物の中庭も素敵でした。ちょっとしたスペースに野外小劇場がぽっぽっと有るし!
続く

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