音楽って何だろう その21
 
音楽って何だろうの13から20までの間でE音会の歴史を話して来ましたが、20から25で東仁美さんに纏わる、話で中断していました。今回から、又20の続きの話です。
 一年前の「きゅりあん」コンサートと同様、私たちは懲りずに又教育委員会に推薦の依頼を頼みに行きました。このコラムを読んで下さっている人達には、もうお察しの通り、ケンモホロロ状態でした。こちらが想像していた通りの対応でしたが、それでも実際目の当たりにすると、、、、
 さて、そんなことは、もう、どうでも良いやと、気持ちを入れ替えて、いよいよ練習に入る事になります。
 大まかには、一部は浜田の曲集「Holy Hill」をE音会ハンドベルクラブと浜田、パネさん、藤本さんが共演。二部は、浜田、パネさん、藤本さんだけの色んなタイプの曲の演奏。と決めて居ましたので、練習の殆どは一部の曲に費やす事になります。
 子供達にとって馴染みの無い曲ばかりを、どうやって「良い音楽」にして行こうか、そして、年齢差の有る中で、最小限の負担で気持ちよく演奏してもらうためにどうしようか。随分頭を悩ませました。練習場の確保も急務の問題でした。
 先ずは、小さな子供達の負担を少なくするために、演奏する曲を少なくするのが良いだろうと考えました。小さい子にとって、3ヶ月くらいの時間の中で、自分の曲として暖めていける曲数はそれほど多くは無いはずです。実際プロで長年音楽と向き合って居る人でも、ある曲を自分の物にするのには、相当時間が掛かります。子供達には良い演奏もしてもらいたいが、むしろ、練習の中で自分の取り組んでいる曲を深く大切に育てていって欲しいという気持ちが大きかったのです。
 そこで、ハンドベルの入る曲の内、小学生低学年の子には何曲か休んでもらう事にしました。
 後は、練習場の確保です。定期的に土曜日に児童センターを使わせてもらって居ましたが、平日の放課後も練習しましょう、と言うことになった為、場所探しを始めました。E音会を初めて公に紹介したのが、八潮北小学校の家庭教育学級だったと言う経緯もあったので、北小学校に打診してみました。一も二も無く、快く音楽室を貸してくださることになりました。これは、助かりました。ピアノやマリンバも有るので、パネさんや藤本さんと合わせる時も非常に快適な環境で出来ました。北小学校の、この援助が無かったら、ベルの演奏はどうなっていたことやら、、、、
 順調に本番まで行けるかなと、ホッとしていたら、確かベルの練習を開始してから2、3回たった頃だったと思います。何人かの保護者の方からクレームが来て居ると報告が入りました。それも、「趣旨に問題が有る」と言う物でした。「これはちょっと穏やかで無いぞ」と、身構えていましたら、何のことは無い、小学生低学年の子が全部の曲に参加出来ないのは、E音会の趣旨に反している、というご意見でした。地域の大人と子供が知り合いになる為に一緒にハンドベルに取り組みましょう、というE音会の目的が有りますが、それにしても、「一緒に」の部分を拡大解釈してるんじゃないの、と思いました。それと、学芸会じゃ無いんだから「悪しき平等主義」は止めてよ、とも思って結構怒りを覚えました。こちらは、子供達の負担を減らして、楽しい、そして良い内容のコンサートにするべく頭を悩ましているのに、、、、こんな気持ちでコンサートを捉えているのなら、コンサート自体止めにしても良いかな、とも思いました。カーッとなりやすい性格なので、半分くらいそう思っていましたが、楽しみにしている他の子供達が可哀想、そういう親の気持ちも解ってあげて、等々いさめられまして、「しょうが無いからその線で行くか」と覚悟を決めました。
 そうは言っても、現実に子供達の負担が減る訳でもありません。どうしようかと悩んでいた所、ハッと思いついた事が有りました。今もE音会が大変お世話になっている森岡万貴さん(その当時芸大打楽器科の4年生でした)に練習だけでも手伝ってくれないか、欲を言えば本番もやってくれないか、と相談すると全面的に協力してくれることになったのです。    続く 浜田 均

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