音楽って何だろう その15 
さて、いよいよパナソニックマルチメディアセンターE音会コンサートの日を迎える事になりました。その日は大雨でした。雨の場合の対策はしていましたが、自転車で聞きに来て下さる人たちが多いと予想してましたので、ちょっと心配でした。それ以外は実に順調に事が進んだと思います。
まず、準備の段階で何人かのお父さんのお手伝いがあって、非常に助かりました。コンサートに限らずイベントというのは、準備と後片づけが一番大変で大切な物です。内容と同じくらいの重みを持っていると思います。準備で手こずると、本番にまで影響が出てしまってその日一日あわただしいだけで終わってしまうことなります。その意味では、このお父さん達の援軍は本当に有り難いものでした。増して、それは当日になって前触れのないお手伝いでしたので嬉しさもひとしおでした。こういう時もくもくと荷物運びをしているお父さんの姿ってカッコ良い物です。
パナソニック側の対応も、決して表に出ることなく、しかし事故の無いようにという心配りが見事な物でした。私たちの情熱が通じた結果のコンサートの実現だとしても、実際の現場というのはそう言う感情の問題とは関係なく、あくまでも無事故で円滑に事が運ぶと言うのが原則です。それがあって初めて情熱の発信が出来て、その目的が達成出来ると言うことなのだと思います。
この日はそういう目に見えない所での支えを沢山実感出来た日でした。只この日は学校の有る土曜日でしたので、子供達が準備の現場に触れられなかったと言うのが残念でした。それで、これからは子供達がステージに立つ裏側でどんなに多くの労力が払われているのかは必ず伝えて行くことにしようと心に決めました。
浜田も若い頃は、コンサートで良い演奏をすれば他は大した問題じゃ無い(恥ずかしいです)なんて考えて居たことも有りました。でもだんだん、コンサートというのは、企画段階でのしっかりしたプラン、準備で関係する人達との意志の疎通、宣伝とチケットの販売、当日の会場の整備と運営、音響照明、ステージ上のスムーズな進行、終演後の撤収、等々これらが全部上手くいって初めて成功するのだと言うことに気がついてきました。多くの人手と労力に支えられているのです。そこに例え報酬と言う物が介在しているにしても、決して一人で出来る物では無いと言う意味で感謝の気持ちを忘れてはいけないと心に決めたものでした。不思議な事にそういう気持ちで居る時の方が、ステージでは全てを忘れて集中出来るような気がします。
金さえ払えば良いんだろう、という空気が未だにこの国を支配しているようですが、それは絶対間違っています。お金で解決する方法は非常に合理的ですが、反面人は(心ある人は)お金だけでは動きませんし、増して心はお金では買えません。実際E音会の活動自体がそれを反映していますよね。お金が絡んだ会(営利団体)だったらこんなに色んな人が関わってくださったり、知恵や労力を割いて下さらないだろうと思います。そして、恐らく「金の切れ目が縁の切れ目」なんていう悲しい結果が待っているだけでしょう。
この日は、ステージ上でも地域コーラスの人達、その指導の先生の唄、伴奏の方、手話コーラスの人達が心の交流をして下さいました。一日中冷たい雨が降っていたにも関わらず、沢山の人が聞きに来て下さいました。八潮西保育園の出演者の子供達の世話にも多くのお父さんお母さんが関わって下さいました。感謝、感謝です。
最後に全て片づけ終えて、パナソニックマルチメディアセンターの人達の暖かい笑顔に送られて帰るとき「やって良かった!」と思いました。
E音会の活動自体未熟な面が沢山有るのですが、多くの人に支えられて無事自主コンサートを終える事が出来て、次の年の「きゅりあん」コンサートも大丈夫という自信を持つ事が出来ました。実際は多難な道のりでしたが、この日のコンサートが無ければもっと暗中模索したと思います。
いよいよ次回から「きゅりあん」コンサートのお話が始まります。
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