音楽って何だろう その14 
パナソニックマルチメディアセンターに下見に行ったとき「ビジュアルの設備も有りますのでどうぞお使い下さい」と親切に言って頂きました。さすがに天下のパナソニックですから設備は申し分ないわけでして、以前からマルチメディアに興味を持っていた浜田にとっては渡りに船とばかりに、早速行動を起こしました。
私の長男が通う保育園の同じクラスの子の保護者に前々から“どうも臭いぞ”と思っていた人が居ました。別に本当に臭い訳では無く、自由業の持つ雰囲気(本当は会社の共同経営者で自宅で仕事をしていました。)しかもコンピュータ関係(もっと言えばマッキントッシュ系)の仕事臭くて、さらに音楽やグラフィックをかなりやっていそうな感じが動物的感?で臭ってきたということです。おまけに、人付き合いの悪さ、と言うか相手に与える印象の悪さというか、まるで人間を鼻っから信用していないという態度に感動を覚え私はズーーット気になっていました。ところが、この人が、なんと長男のクラスの交流会に来たではありませんか。ここぞとばかりに、すり寄っていって私の今までのモヤモヤを消そうとばかりに何の仕事か失礼を顧みず聞きました。すると、殆ど私の推理は当たっていて、「うむ、やっぱり俺は人を見る目がある!!!!!」なんて、ほくそ笑んだものでした。
パナソニック側の有り難い申し出を受けたとき、直ぐこの人の事を思い浮かべました。私が一方的に近寄って仲良くなったつもりでいた人と、お金にならないとは言え何か一緒に出来そうだと思うとワクワクしました。早速、コンタクトを取りました。私の長所である(殆どの人は短所だと言いますが)単刀直入な言い方で「E音会というのが有ってウンヌンカンヌンカクカクシカジカハッパフミフミでお金は出ない。」と説明しました。「良いですよ」という素っ気ない返事とは裏腹に、彼はこういう人特有の面白ければ金銭関係無いという感じで、実に丁寧にこちらの望みを叶えてくれました。打ち合わせにも何回も同行してくださって、どうしてこんなに良くして下さるのだろうと思うほどでした。もしかしたら、パナソニックマルチメディアセンターに興味が有ったからなのかもしれませんが、恐らく私の事が好きだったからだろうと勝手に思っています。
それは兎も角、演奏の後ろで八潮の風景とか子供達の姿とかの写真が写ったり、プログラムやメンバーの名前がスクリーンに映し出されたり、と、それはそれは素敵な空間を作りだして下さいました。演奏も練習の成果が良く出て素晴らしかったのですが、それをさらに何倍にもイメージアップしてくれました。この経験が次の年の「きゅりあん」コンサートで葉祥明さんのスライドをバックに演奏するという事の伏線になったのです。
もう一つ企画したことが有りました。八潮の音楽サークルとジョイント出来ないか、と言うことでした。E音会ハンドベルクラブは地域に根ざした音楽クラブという目的で作られたのですから、違う音楽サークルとお近づきになれれば、会としても色々な良い影響とか刺激も受けられるのではないかと考えました。合唱サークルならば種類も違うので良いのでは、と言うことで探したところ、八潮にある品川総合福祉センターで活動している「地域コーラス」というサークルを近所の人から紹介してもらいました。
まずは出演交渉に行って、その時次の週にセンターの文化祭に出演するとのことで、それも見に行きました。文化祭では真面目に歌に取り組んでいるコーラスの皆さんに感動しましたが、新たな感動を呼ぶ物に出会いました。それは、コーラスと一緒に出演していた「手話コーラス」というもので、手話で歌詞の内容を表現するのですが、殆ど踊りに近い物を中学生の女の子が演じていました。私は今まで出会った事のない物に触れて、しかもそれを黙々と何の衒いもなく表現している中学生の姿に、涙がとまりませんでした。早速コーラスの皆さんも勿論ですが、この「手話コーラス」の人たちも是非出て欲しいとお願いしました。 続く 
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