音楽って何だろう その4

 今回は、音の長さについての話です。ある音をこのくらいの時間の間延ばしなさい、という指示は、簡単に考えれば私たちが生活で使っている時、分、秒の単位で表わせば良さそうですが、音楽の中では現代音楽と呼ばれる譜面に、たまに出てくるだけで、この時間の単位はほとんど使われていません。

 生活で使う時間の単位は、おおよそ地球が1回転する時間を24等分した、「時」それを60等分した「分」それをまた60等分した「秒」で表しますが、音楽では、ある曲の速度(Tempo テンポ)を表す時にだけこの単位を利用しています。♪=120なんて表示を曲の最初で見かけますね。これは、1分間に8分音符を 120回均等にはめ込む速度で演奏してね、というお願いなんです。もう少し砕いて言いますと、1分間に120回ということは、60秒割る120ですから、8分音符の長さは0.5秒だよ、ということを表しています。さらに

2/4  3/4 4/4 6/8 9/8 12/8  etc.

なんて物にも出くわしますが、これは拍子記号といいまして、分母が音符の種類で、分子が拍数です。ほとんどの音楽では、繰り返す拍数というものを決めていることが多いです。これはもともと人間が2本足で歩くことから来ているという人もいますが、要するに、人間は右ー左ー右ー左という風に歩いていますが、これは2つのサイクル、1、2、1、2、、、、、の繰り返し、すなわち2拍子と言うわけです。踊りの曲は3拍子が多いですよね。(今はディスコとかラテンで踊るので4拍子なのかな)そうなると人間が5本足を持っていたら案外5拍子の曲が多かったりして、、、

それはともかくとして、分母で決められた音符が分子の数だけ出てくると、小節というもので区切る約束になっていてます。例えば、4分の4拍子ならば4分音符4っつで次の小節、8分音符なら8っつ、16分音符なら16個、そしてそれらが色々組み合わさるのです。なんとか分音符というのは、全音符と呼ばれる音符を、何等分かした、と言う意味で、相対的なものです。

 音符の種類は、よく使われるものに、全音符(棒のない白丸)2分音符(棒のついた白丸)4分音符(棒のついた黒丸)8分音符(棒に旗が1つついた黒丸)16分音符(棒に旗が2つついた黒丸)32分音符、64分音符、128分音符、、、は旗が増えて行くだけです。そうして、それらが3つ集まると丸のところに点を付ける約束になっています。これを付点音符とよんでいます。こういう風に見てみると、全音符を半分、半分、半分、、、という風にして音符の種類を決めたみたいですね。欧米で発達したコンピュータは2進法で出来ている、という話を聞いたことがあると思いますが、西洋音楽も2進法的な考え方をしているのですね。ある音符を2の倍数以外で割る時は、連符という書き方をします。例えば4分音符を3等分する音符は8分音符3つの固まりの上に3を書いておきます。

 全音符を2等分=2分音符 

 全音符を3等分=2分音符の3連符 

 全音符を4等分=4分音符

 全音符を5等分=4分音符の5連符

 全音符を6等分=4分音符の6連符

 全音符を7等分=4分音符の7連符

 全音符を8等分=8分音符

と言う関係です。これを全音符の所に例えば4分音符を置けば=の右側はそれぞれ8分音符、8分音符の3連符、16分音符、16分音符の5連符、、、、、、、、となります。それと、2等分、4等分、8等分、16等分、32等分、、、、、、、と言う2のn乗で初めて新しい音符が登場するので、新しい音符が出てくるまでは、連符を使って表します。

 かなり数学的になってしまって、もう、アレルギー反応が出ている人もいるかもしれませんが、この音符という記号が理解出来るようになると、すこしは、音符拒否が良くなるのではないでしょうか。

 とにかくある音をどのぐらい延ばすのか、ということは、音楽にとって、ものすごく大事なことですので、音符という記号に慣れなくても、何拍分延ばすのか、という感覚(数える作業)は是非とも身につけて欲しい物です。

 その5では分子に表す拍数とリズムの話をします。

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