アメリカツアー面白話 25
 New York Queens(クィーンズ)の知人の家に2泊して自力でConnecticut(コネチカット)州Stamford(スタムフォード)まで帰らなくてはいけないので不安も有りますが、New York Cityで一番好きなMoMA(Museum of Modern Art)に時間の許す限り居てやろうと思って勇躍E Trineにのって5番街53丁目駅で降りて向かいました。Kew Gardens駅からは時間は掛かっても一本で来ますので楽でした。昔は犯罪と言えばNew York City地下鉄でしたが、今は全く安全です。列車の中を目の見えないおじいさんが盲導犬に引かれてお金の無心に歩いていて、案外皆さんがカンの中にお金を入れてあげているので驚きました。東京だったら誰一人関わろうとしないでしょうが、New York Cityは違っています。そしてなんと言ってもありとあらゆる人種の乗客が乗っていて、どうしたらこれほど多種多様な人種が乗り合わせ出来るのだろうと思うくらいです。そして乗客同士が気を使っているのがよくわかります。自分が誰かの邪魔をしていないか、周りに困っている人はいないか、ほとんどの人がそういう気遣いをしているのがわかります。当然スムーズな人の流れができて、車内もぎすぎすした空気はないのです。東京では自分が乗降の邪魔になっていても知らない顔をして突っ立っているし、困った人がいても知らない顔、おまけにちょっと体が触れて暴力行為、酔って暴力沙汰、最近富みに思うのは現在の日本人(中国人もマナーが問題視されていますが、、、)って社会生活が向いていないのではないかということです。昔はそれなりに都市生活をスムーズに送っていただろうし、それを美徳として誇りにしていたのだろうと思います。いつの間にか変な人たちが増えてきていて社会が壊れそうになっています。New York Cityでも一時期犯罪がひどくて(マナーがひどかったかはわかりませんが)「割れ窓」理論でそれを克服して現在があるのです。小さな「割れた窓」でもそれをそのままにしておかないで、根気良く見つけてはその都度修理して綺麗にしてそれを保つ努力をする。それを皆が賛同して小さくても一人ひとりが取り組む、そういう機運がおきないとNew York Cityのような再生はないのだと思います。あれだけ多種多様な人種(ということはそれだけの違った宗教や生活習慣があるということでもあります)の人たちがお互いを気遣いながら(尊重しあいながら)都市生活を送れるということに私たちは多くのことを学ばなくてはいけないと思いました。
 さてさて、そんなことを思いながらMoMAに到着して中に入ろうとすると、警備の人が私の車の付いたキャリーバッグを指さしながら両手でバッテンマークを作って申し訳なさそうな笑顔を向けてきました。要するにその荷物を持って中には入れないよ、ということなのです。これもテロの影響です。手荷物程度ならクロークに預けられるのですが、今や小さなキャリーバッグでも持ち込み不可なのです。ああ!私の予定ははかなくも露と消えてしまいました。東京ならコインロッカーを探すのですが、ここはNew York Cityです。あきらめて帰ることにして、Grand Central駅に向かって歩き始めました。(歩くと15分近くかかるのですが、町が好きで秋晴れの日なので歩くことに決めました。)5番街を南に歩き始めると、なんとパレードが始まるような雰囲気です。そのうち何百台というハーレーダビットソンの大群がやってきました。続く。

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