アメリカツアー面白話 18
 New Jerseyのホテルから向かう先はMaineBrunswickというところです。アメリカの一番北で一番東にある州です。11月の始めとはいえ相当寒いだろうなというのは容易に想像がつきます。乗用車2台とトラック一台のキャラバン隊は2時過ぎに出発しました。「まあどんなにかかっても今日中に着きますよ」との言葉に「まあゆっくり行きましょう」なんていいながらNew York 近辺の渋滞は織り込み済みだし悠長に構えての旅です。それにしてもNew YorkからBostonへの道はびっくりするくらい高速道路が沢山あって、それらを一般道が網の目のようにつないでいて、詳細地図を見ていると目が回りそうです。そしてそれらの道をこの近辺に住んでいる人たちは、臨機応変に渋滞を避けて縦横無尽に道筋の選定をして走っているそうです。私たちキャラバン隊もその例にならって、ちょこちょこと道筋を変えていましたが果たしてそれが正解だったかは分かりません。兎に角何処を走っても渋滞しています。私は7時過ぎにドライブインでたっぷりとステーキと食べ放題のサラダを食べた後は車の中で爆睡していました。そのレストランでも未だBostonよりはNew York寄りだったようです。
 ふと車が停車した気配を感じて目を覚ますと、大きな高速道路の休憩所の様です。アメリカはフリーウェイと言うくらいで、料金を取りません(ちょっとした料金は東海岸では取ってますが大々的に長距離の料金を取ることはしません)ので休憩所は高速道路を降りてその地域の人たちも利用できるショッピングモール形式のところが多いです。「ここはどの辺ですか?」「Bostonの校外ですね」「ほう!やっとBostonですか!やはり時間が掛かりましたね」「まあこれからはもう渋滞は無いでしょう。今10時ですから、2時か3時には着くでしょう。」という会話をしながら大きな平屋建てのショッピングセンターに入って用足しと水分の補給です。日本でも最近平屋建てで床面積が異様に広い、何でもおいてあって、商品を大量に購入する形式のショッピングセンターが見受けられるようになりましたが、まさにそれです。入り口にガードマンらしき男が何人かいて、中は全く客がいないので一種異様な感じはしましたが、夜も更けているのでこんなものだろうと思って皆の用が終わるまで店内をうろうろ見て回りました。くるっと見て回って皆が来ないので寒いけど外の方が良いや、と思って車の側に立っていました。鍵が掛かっていたので何となく回りを見渡しながら待っていると、突然パトカーのサイレンが聞こえてきて交通事故でもあったかなと思っていると、だんだん音が大きくなってヘッドライトがどんどん近付いて来るではないですか。何だろうと思ってパトカーを見ているとナント!私のすぐ側まで来てキキキキーとカーブを切ってブレーキをかけて、運転席のドアーがバーンと足で蹴り開けられ、開くが早いか鍛え上げられた警官がピストルを構えて飛び出てきました。私は何もやましいことが無いのでまるで映画を見ている様な気持ちで全く現実味が有りません。警官は私に大きな声で「ぷっちゃうてゅあへんず」と怒鳴りました。一瞬何を言われているのか分かりませんでしたが、「へんず」は「手」だろうと言うことと、寒いのでズボンのポケットに手を入れて立っていたので直ぐに「手をだして手を上げないと撃たれる」と思い、やっとこれは現実だと気付きました。続く。

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