アメリカツアー面白話 17
 Philadelphiaでの「チーズバーガー戦争地域」の見学の後はおきまりの市内観光をしました。アメリカ合衆国発祥の地という事で観光スポットが何カ所か有って京都の様な所と思えば良いでしょう。学校で歴史を詳しく勉強したアメリカの子どもには興味深いものなのでしょうが、私のようなものにはそれほど面白くはありません。むしろ、建物に入るたびに対テロ対策のための手荷物検査があるため、うっとうしいことこの上ないのです。まあアメリカ全土がそうなのでかなり慣れましたが、これも今のアメリカの日常として皆おとなしく従っています。
 さて、フィラデルフィアで鋭気を養って、いよいよ東海岸を北に向けてのツアーが再開です。とは言っても先ずはフィラデルフィアから直ぐのNew Yorkまで電車で1時間のNew Jerseyのホテルに泊まります。ケニーさんのNew Yorkでのワークショップのついでにほかのメンバーは宿泊費を安く浮かしてNew Yorkで楽しもうという計らいです。実はケニーさんはハワイ在住の和太鼓奏者ということで、所謂「自然派」ミュージッシャンと思われがちですが、ジャズが大好きで、大都会のごみごみした喧噪が大好きという「都会派」ミュージッシャンと言う側面も持っています。そういうことからこのツアーでは北に向かう途中で一日New Yorkで遊ぶ機会を作って、又南下してきてNew Yorkによって遊ぶ日を設定していたのです。どうやら、ツアーの時は必ずそういう日を入れているようです。かく言う私も大のNew Yorkファンですので今回は2回もチャンスがあって大喜びです。
 一回目のNew Yorkは一日だけなのでNew York在住のケニーさんのお弟子さんが面白そうな店に連れて行ってくれました。11月初旬のこの時期は1年で一番気候が良い「インディアンサマー」から冬に移行する時期でめまぐるしく天気が変わるそうですが、この日は「インディアンサマー」そのままの過ごしやすい日です。3時過ぎに電車でPenn StationPennsylvania Stationという意味らしいです)に着いて地上に上がると、もうウワーッとNew Yorkです。摩天楼が覆いかぶさってきて、人が沢山居てあわただしくしていて、都会ならではの喧騒が聞こえて、将に都会の中の都会です。世界中に色々な都市があるにしても、やっぱりNew Yorkのような都市はここにしかないのです。人種が千差万別で、その人たちがある種の秩序の中で、自由におおらかに活気の有る空間を作っていて、それでいて生活感がまったく無い、将に「何処にも無い場所」が現実に在るという感じです。居るだけでわくわくします。
 遅い昼食を摂って、歩けるところは沢山歩いて、ケニーさんのお弟子さんが最近話題のお店を案内してくれて、あまり有名じゃないジャズクラブであまり有名じゃないのにものすごい演奏をする人たちの(しかも皆さん50代以上)ライブを聞いて、立ち食いそばやのようなピザ屋で大きなピザを食べて、あっという間に深夜になっています。New Yorkは24時間地下鉄が動いているのは有名で皆さんご存知でしょうが、それに連動して郊外へ行く列車も24時間動いているので(一時間に二本程度ですが)New Jerseyのホテルに帰りついたのは4時前でした。次の日は昼頃まで寝ていていよいよ北へ向けて出発です。一番面白いことが待ち受けています。続く。


戻る

次へ

ホームページへ