アメリカツアー面白話 7

 マウイ島は素晴らしい島でした。ハワイ4島のコンサートでは最後のコンサートになりましたが、劇場も素晴らしいし、スタッフも素晴らしい人ばかりでした。劇場はMaui Art & Cultural Center の劇場でCastle Theaterというところで1200人入るところでした。音響も照明も設備がよい上に一流のスタッフが雇われています。とにかく金がかかっていて贅沢な感じです。何もないハワイ島、「観光地」になってしまったオアフ島、いい感じの田舎なのだけどWild Chickenには困ってしまうカウアイ島、と渡ってきて、マウイ島だけは落ち着いたきれいで適当に都会だけど気候も暑すぎなく快適で、風光明媚で、しかも文化に贅沢にお金をつぎ込んでいる、最高の島でした。こんな島なら住んでみたいと思いましたが、なんと快適に住むには、やっぱりお金持ちじゃないと駄目ということが判明しました。しかも生半可な金持ちじゃ駄目らしくて、マウイの一番快適な丘の中腹のあたりには、世界中の金持ちの別荘が集まっているとの事。しかもロックスターやハリウッドの俳優たちの名前がぞろぞろ出てきます。ミックジャガー、ポールマッカトニー、サンタナ等々ですからビバリーヒルズの別荘版てなところでしょう。こんな金持ちばかりが集まる島ですから、税収もあるでしょうし、文化のためには寄付もしてくれるでしょうから劇場が贅沢にできているのも納得できました。もう一度いってみたいところの一つになりました。
 さてさて、ハワイの島巡りも終わって、いよいよアメリカ本土に向かいます。ホノルルからサンフランシスコで乗り換えて、シャルロッテ(Charlotte)で更に乗り換えてグリンズボロ(Greensboro)というところまでの長旅です。恐らく12時間くらいの旅なのでしょうが、時差がどんどん変わるので何が何だかわからなくなります。だいたいグリーンズボロにしろシャルロッテにしろ、いったい何処なんじゃい!という感じですよね。シャルロッテはケニーさんがコンサートやったことがあるらしくてその印象を、人工的に金融の町を田舎に作り上げたそうで、金融関係の会社が入っているビルが建ち並んでいるだけで、そのエリアを外れるとすぐ住宅街があって、残りは田舎の風景と話していました。およそ人々が暮らして来た歴史が無いので人々の生活の臭いがしない町だそうです。その代わり、金融の町だから、この町に行く飛行機はアメリカの主要空港からはかなり沢山の便が出ています。初めてアメリカに来たとき、いろいろな航空会社が競ってロンドンとテルアビブ(イスラエル)に便を出していて、それこそ5分おきくらいに便があるのにびっくりしましたが、それに近い意味を持った国内空港なのでしょう。アメリカにとってイギリスとイスラエルはどんなことがあっても切っても切れない国なのでしょうし、金融資本主義の心臓部の様なシャルロッテにも沢山飛行機を飛ばすのでしょう。
 そこから小さなジェットで45分くらい飛ぶとグリーンズボロ(Greensboro)に着きます。どちらの町もノースキャロライナ(North Carolina)州の町です。10月23日に着いたのですが、真冬並みの寒さに驚いてしまいました。なにしろ、ほんの10数時間前は「夏」だったのですから、これは応えました。ここから暫く大学でのコンサートが続いていきます。     続く

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