アメリカツアー面白話 5

 アメリカで多くの人に認知してもらうためには決して条件の良い場所では無いハワイで和太鼓のグループつくり(Kenny Endo Taiko Ensemble)や子供の太鼓教室、ハワイ大学でのサークルつくりと運営、等をこつこつとこなして地盤つくりをする一方、ケニーさんはアメリカ本土や世界に打って出て名声を確固たるものにしていったのです。その努力たるや、通信や交通の手間を考えると頭が下がります。やはり真面目に誠実にということが大切なのでしょう。
 さてさて、そのようなケニー遠藤さんと知り合えて今回アメリカツアーに参加させていただいたわけですが、ツアーはハワイから始まりました。
私は始めに書いたように10月14日に大きなコンサートがあったので最初のハワイ島(Big Island)での2箇所のコンサートは出来ませんでした。16日のホノルル(オアフ島)のハワイ劇場でのコンサートから参加です。ハワイ島にいけなかったのは残念ですが、行ったメンバーが「天気は悪いし、寒いし、大変だったよ。」との事。内心「ラッキー」ではありましたが、そこはそれ行ってみたかったのは確かです。話によるとハワイ島は大きな島ではあるが、その大きさに反比例して何も無い島とのこと。まあ確かに有名なのは天文台と火山くらいですからね。そして天候が悪いのも有名で、山には雪が降るとのことで、所謂「ハワイ」というイメージからはかけ離れたところのようです。
 ホノルル(オアフ島)の次のコンサートはカウアイ島です。ハワイの4島の中では北の外れにあります。ネイティブの発音はカウアイがハワイに聞こえるので話がこんがらかる時が良くありました。ちなみにホテルにチェックインするのは「チキン」に聞こえるので実際「チキン」と私が言うと「チェックイン」と聞いてくれました。そのことをケニーさんに言うと大笑いでした。乗り合いバスのような「アロハ航空」でカウアイに着いて乗っている時間は短いのに降りてからは、何しろ荷物が多いので時間がかかります。やっと島の中ほどのハワイ大学カウアイ分校へ向かってドライブが始まって直ぐにあまりの田舎くさい風景が広がるのにびっくりしました。それをさらに強調するというか、奇妙さを増すというか、さらにびっくりしたのは、いたるところに居る鶏でした。最初は田舎だから農家が鶏を放し飼いしているのだろうな、と何気なく見ていたのですが、そのうち広い草原にも、道端にもいたるところに鶏がいて、その数は尋常じゃないくらい多いのに気がつきました。種類はどうやら一種類のようです。茶色と黒と赤がまだらになった羽毛と大きなトサカが特徴的です。おそらく茶色い卵を産むやつだと思います。そして、飼われている鶏にしてはその行動があまりにも自由奔放なので、思い切って地元の人に「Is this wild chicken」と恥ずかしい英語で聞いてみました。「Sure」とのこと。その後は訳してもらったのですが「推測だけど、誰かが持ち込んだ鶏が野生化して、天敵が居なかったのでこんなに異常に増えたのだろう」とのことでした。実を言うと私は鳥族が苦手で、どうやってもグロテスクな生き物にしか思えなくてその際たるものが鶏なので、この島には住めない!と直ぐ思いました。続く

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